古事記 下巻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 09:46 UTC 版)
黒日売(くろひめ)が吉備の国へ帰郷した際に、大雀命(仁徳天皇)は後追い吉備の国へ行幸するが、道中詠った歌にはオノゴロ島が登場する。 原文 於是天皇 戀其黒日賣 欺大后曰「欲見淡道嶋而」 幸行之時 坐淡道嶋 遙望歌曰、 『淤志弖流夜(おしてるや)、那爾波能佐岐用(なにはのさきよ)、伊傳多知弖(いでたちて)、和賀久邇美禮婆(わがくにみれば)、阿波志摩(あはしま)、淤能碁呂志摩(おのごろしま)、阿遲摩佐能(あじまさの)、志麻母美由(しまもみゆ)、佐氣都志摩美由(さけつしまもみゆ)』 乃自其嶋傳而幸行吉備國。 口語訳 是(ここ)に天皇、其(そ)の黒日賣を恋ひ、大后欺き「淡道嶋を見むと欲(おも)ふ」と曰いて幸行する時、淡路島に坐(いま)して、遥に望みて歌ひて曰く 『押してるや、難波の崎から出で立ちて、我が国見をすると、アハ島 オノゴロ島 アジマサの島も見える、サケツ(先つ)島も見える。』 乃(すまわ)ち其の島傳(つた)いて、吉備の国に幸行する。 「押してるや」は難波の枕詞。「我がくにみれば」は、歌を詠んだ仁徳天皇が現在地辺りから眺めると、という意味であり、国見を行ったと解釈されている。国見とは国の地勢や景色、人々の生活状態などを、地位の高い人物が望み見ることを言う。
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