口の裂けた不具の学校教師の物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「口の裂けた不具の学校教師の物語」の解説
その男は、以前学校教師であり、厳格に生徒たちをしつけていたが、あまりの厳格さのために、生徒たちは嫌がっていた。ある日生徒たちが、教師である男に向かい「先生の顔色が悪い」とあまりに言うので、横になり休むことにした。すると級長が来て、「病気の先生のために募金をしました」と80ドラクムの金を渡してくれたが、それは1日分の給料より高いものであった。次の日以降も同じことが1週間続き、男はすっかり休んで儲けることが気に入ってしまった。その間生徒たちは自由にしていた。そのようなある日、男がゆで卵を食べようとしているところに級長が来たので、元気になったと思われては募金がもらえなくなると思い卵を口の中に隠したが、卵の熱さに口の中が火傷してしまった。級長は卵で膨れた頬を見て、「大きな腫れ物がつらそうなので、膿を出しましょうと」針金で頬を刺し、火傷と刺し傷で本当に腫れ物ができてしまった。床屋を呼んで治療させたが、口が裂けてしまった。 また、男は生徒たちに、誰かがくしゃみをすると両腕を組んで「祝福あれ。祝福あれ。」と言うようにしつけていた。生徒たちと遠足に行ったとき、古井戸があったので、ロープを生徒たちに持たせて井戸に降りて水を汲んで来ようとしたが、途中でくしゃみをしたため、生徒たちがロープを放し、両腕を組んで「祝福あれ。祝福あれ。」と言ったので、井戸の底に落ち、男は両足が不具になってしまったのであった。
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