反発と延期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/18 06:31 UTC 版)
しかしこうしたフィルタの強制導入には中国のネット社会では強い反発が起こり、国家がPC利用を監視することへの懸念が広がった。またフィルタ自体も、アメリカなどで販売されている既存のフィルタソフトからの流用が指摘されたり、コンテンツを見分ける能力の低さが指摘されたりするなど完成度が低く、その割に、開発にあたった二社に対して、入札などの公正な業者選定がないまま高額な開発資金が投じられたことも問題となった。ソフトを流用されたアメリカ企業も、「緑壩・花季護航」の開発企業へ巨額の賠償を求める訴訟を起こした。 導入前日である2009年6月30日の遅くになり、工業情報省は新しく販売されるPCへの「緑壩・花季護航」の搭載義務措置を無期限延期とすることを発表した。当局は準備不足などを認めたものの、言論の自由を侵す意図や、開発に際しての不透明な取引の有無については否定した。 結局、「緑壩・花季護航」の導入を行ったのは学校やネットカフェなど中国のネット利用者の一部にとどまった。また、1年後の2010年7月には政府からの資金を打ち切られた運営会社二社が苦境に陥り、ソフトウェアの今後の開発や運営自体が停止する危機にあることも明らかになっている。
※この「反発と延期」の解説は、「緑壩・花季護航」の解説の一部です。
「反発と延期」を含む「緑壩・花季護航」の記事については、「緑壩・花季護航」の概要を参照ください。
- 反発と延期のページへのリンク