反応速度増大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/14 08:48 UTC 版)
一般に、オキシ-コープまたはアニオン性オキシ-コープ基質の安定性の生成物の安定性と比較した低下は、基底状態不安定化の原理によって反応速度の増大をもたらす。アニオン性オキシ-コープ転位では電子豊富なオキシアニオンから切断するσ結合の反結合性σ* 軌道へのn供与によって、このσ結合が弱まり(基底状態が不安定化し)、反応が加速される、と説明される。 金属とアルコキシドとの間のイオン性相互作用は重要である。これらの解離特性によって反応速度の加速が引き起こされる。15-クラウン-5を水素化ナトリウムと合わせて使用すると二環性ジエンアルコキシドのエノラート生成物へのシグマトロピー変換の進行において1.27倍の反応速度増大がもたらされたが、15-クラウン-5の代わりにHMPAを使った同じ反応では目に見えた反応速度への影響はなかった。18-クラウン-6と併わせて水素化カリウムを使用すると最大180倍の反応速度の加速がもたらされる。上記の結果から、反応速度はカウンターイオンが点電荷を近似しにくい程、そしてカウンターイオン補足種の添加によって加速される、と結論付けられた。 より極性の高い溶媒や触媒量の相間移動塩を含めることも、同じく速度増大効果を示すことが実証されている。 最後に、転位の進行の間の環ひずみの解消はより強制的に完了まで反応を駆動し、したがって反応速度を増大するだろう。
※この「反応速度増大」の解説は、「オキシ-コープ転位」の解説の一部です。
「反応速度増大」を含む「オキシ-コープ転位」の記事については、「オキシ-コープ転位」の概要を参照ください。
- 反応速度増大のページへのリンク