反則に関する「アドバンテージ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 07:16 UTC 版)
「アドバンテージ」の記事における「反則に関する「アドバンテージ」」の解説
プレー中に反則が発生しても、その直後の状況が反則を受けた側に優位に働いている場合に、プレーを止めず続行させることをいう。反則に伴う罰則はその後のプレーが途切れた時点で下される。ラグビーやサッカーで採用されることで知られるが、その取り扱い(特にアドバンテージ発生後の取り扱い)が微妙に異なる。 ラグビー(ラグビーユニオン)の場合 競技規則第7条に規定がある。 アドバンテージの状態になったときには、レフリー(主審)はアドバンテージを得たチーム側の腕を挙げてアドバンテージの状態にあることを示す。 アドバンテージ後、反則を受けたチームが利益を得たとみなした場合(得点につながった場合や大きく陣地を挽回した場合など)はそのままアドバンテージを終了させるが、レフリーが反則を受けたチームが利益を得そうにないと判断した(反則を受けたチームの攻撃が止まるなど)か、反則を受けたチームがその後の攻撃で反則を犯した場合は、アドバンテージ発生時点までプレーを戻してペナルティを適用する。 サッカーの場合 競技規則第5条に規定がある。 アドバンテージの状態になったときには、主審はアドバンテージを得たチームの攻撃方向に両手を差し出してアドバンテージの状態にあることを示す。 予期したアドバンテージがそのとき、または、数秒以内に実現しなかった場合、その反則を罰するが、そうでない場合はプレーを続行する。 警告や退場となるべき反則に対して、主審がアドバンテージを適用したとき、この警告や退場処置は、次にボールがアウトオブプレーになったときに行う。 ハンドボールの場合 競技規則第13条に「フリースローの判定」として規定がある。 プレーを中断しフリースローを与える状況について「ボールを所持しているチームが反則したとき」「相手チームの反則によりボールを失ったとき」と指定があり(13の1)、加えてレフェリーは「フリースローの判定によって競技を早まって中断しないよう、競技を継続させなければならない」とあり(13の2)、反則があった場合でも、反則を受けた側がボールを保持している場合は原則としてプレーを続行させアドバンテージの状態とすることとされている。 罰則を与えるべき違反行為に対して、レフェリーがアドバンテージを適用したときは、次にプレーが中断したときに罰則を与える。 ハンドボールは攻撃の展開が速く、プレーの中断自体が防御側に有利に働くため、レフェリーによる無闇な中断を避けるための規定といえる。 反則を受けたチームが有利になるという点で公平な制度であるが、ラグビーでは「アドバンテージを受けた側が不利になるまでアドバンテージが続く」ため、思い切った攻撃が続けられるのに対し、サッカーやハンドボールでは「アドバンテージを受けてしばらくの間を過ぎるとアドバンテージが終了する(反則に伴うプレー中断をなかったものとする)」ため、素早いリスタートを行ったときとあまり状況が変わらない。
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