反ド・ジッター空間の幾何学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 02:54 UTC 版)
「AdS/CFT対応」の記事における「反ド・ジッター空間の幾何学」の解説
詳細は「反ド・ジッター空間 」を参照 AdS/CFT対応では、弦理論やM-理論を反ド・ジッター空間を背景として考える。このことは、時空の幾何学が反ド・ジッター空間(AdS空間)と呼ばれる時空での、アインシュタイン方程式の真空解(英語版)の項として記述される。 非常に基本的事項であるが、反ド・ジッター空間での点の間の距離の概念(計量)は、通常のユークリッド幾何学とは異なっている。右の図で示しているディスク (disk) のように見ることができ、双曲空間(英語版)と密接に関連している。この図は、三角形と四角形によってディスクを平面充填していることを示している。そこでは、三角形と四角形がみな同じ大きさであり、円の形をした境界が内部のどの点からも無限に離れているような方法で、このディスクの点の間の距離を定義することができる。 ここで、双曲ディスクの積み重ねの各々が、ある時刻の宇宙の状態を表していることを想像しよう。結果として出てくる空間は、3次元の反ド・ジッター空間となる。これは中身の詰まった円柱のように見え、どの断面も双曲ディスクのコピーである。時間はこの図の縦軸方向に沿って流れる。この円柱の側面は、AdS/CFT対応で重要な役割を果たす。双曲平面の場合は、任意の内部の点が実際にはこの境界面より無限に離れているような方法で、反ド・ジッター空間は歪んでいる。
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