中枢神経系原発リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫
【原文】primary central nervous system lymphoma
pcnsl。脳、脊髄、髄膜(脳の外側を覆う膜)、または眼(眼球リンパ腫と呼ばれる)のリンパ組織から発生するがん。「primary cns lymphoma(中枢神経系原発リンパ腫)」、「pcnsl」とも呼ばれる。
原発性中枢神経系リンパ腫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 09:59 UTC 版)
「悪性リンパ腫」の記事における「原発性中枢神経系リンパ腫」の解説
眼球を含む中枢神経系に原発する中枢神経系に原発する悪性リンパ腫であり、中枢神経系以外には悪性リンパ腫が存在しないものである。病理学的には大多数がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。臨床症状と画像所見が極めて多彩であり「すべての神経疾患の鑑別にサルコイドーシスと悪性リンパ腫を挙げよ」ともいわれる。原発性脳腫瘍の3.1%を占め、年間人口10万人あたり約0.5人が発症する。免疫不全に伴い発症する原発性中枢神経系リンパ腫はEBウイルスの関与が示唆されているが免疫能正常の患者の発生原因は不明である。 全身性リンパ腫の中枢神経系浸潤と同様に脳実質内腫瘤形成型と髄膜播種型の浸潤様式があるが原発性中枢神経系リンパ腫で髄膜播種型のみを示すことは極めて稀である。この稀な病態をprimary leptomeningeal lymphomaという。また特殊な病態としてlymphomatosis cerebriというものが知られている。これは腫瘤を形成せず、びまん性に白質脳症が両側性に出現するという原発性中枢神経系リンパ腫の特殊系である。亜急性に進行する認知機能障害、性格変化、歩行時のふらつきといった非局在性の神経症状が中心である。lymphomatosis cerebriの予後は不良で治療をしても半年以内に死亡することが多い。 原発性中枢神経系リンパ腫は通常中枢神経系に限局し、他部位に浸潤、転移することは極めて稀である。複数回中枢神経系に再発しても全身転移は稀である。治療としては高用量MTXの全身投与などが行われ2年生存率が50~70%であり5年生存率が20~40%である。 眼内悪性リンパ腫の多くは原発性中枢神経系リンパ腫の亜型である。ステロイド抵抗性のぶどう膜炎の際に鑑別にあがる。
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