原子力損害に対する賠償・除染問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:31 UTC 版)
「東京電力ホールディングス」の記事における「原子力損害に対する賠償・除染問題」の解説
詳細は「福島第一原子力発電所事故」を参照 東京電力を相手に民事訴訟が起こされ、朝日新聞社によると「放射性物質は無主物であり東電が除染する責任はない」と答弁したとされており、判決もその主張が認められて原告が敗訴した。損害賠償請求権の時効は通常3年、民事訴訟の時効は10年で、いずれにしても東京電力が優勢であるが、東京電力は損害賠償の請求権の時効について、「事故から3年たったら(賠償請求が)終わりになるということは全く考えていない」(広瀬直己社長、2013年1月10日福島県庁舎にて) と、法律上の時効を過ぎても請求に応じる考えを明らかにしている。 しかし一方で、2013年春以降になって東電が、原発事故で避難した社員に対して、支払った賠償金を事実上返還するよう要求するケースが多発していることが、2014年に入って判明しており、中には、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)による和解案を拒否するケースも出ている。これらの返還請求が出て以降、復旧作業に関わる社員の退職が相次いでいるとされ、復旧作業への悪影響が懸念される状況となっている。また、東電が、立入制限区域から転居した社員に対しては賠償を打ち切る内容の独自の基準を定めていることも判明している。 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(実質的には日本国政府)から特別資金援助というかたちで4兆円超(2014年5月現在)の損害賠償資金の交付を受けている。これは、無利子の融資であり、仮に将来的に全額が返済されたとしても、国は数百億円の利払いを負担することになる。 東京電力は、放射性物質で汚染された がれき撤去の際、飛散防止剤を10倍から100倍に薄め、散布回数も大幅に減らすよう指示している。原子力規制庁は、このせいで飛散防止効果が落ち、2013年夏に放射性物質の飛散が起きたとし、東京電力に行政指導している。また、飛散防止剤メーカーの担当者は、「これでは飛散防止効果はない、飛散は当然」という旨を述べている。
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