原因、脳の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 14:25 UTC 版)
先天的な原因があるとされ、男性が多いとされるが、B・ブレアによれば反社会性の面では男性優位であるが、情動面では男女に差はないという。脳の働きを計測すると、共感性を司る部分の働きが弱い場合が多いという。反社会性パーソナリティ障害の一般人口における有病率は、男性3%、女性1%ほど。 ジェームズ・ファロン(自らがサイコパスと同じ脳構造を持っているという脳科学者)は「三脚スツール」という理論を提唱し、「反社会的行動をするサイコパス」の発現条件として以下3つの要素全てが揃うこととしている。 脳機能:前頭前野から扁桃体へつながる機能の低下 遺伝子:MAO-A遺伝子などいくつかの遺伝要因 生育環境:幼少期の身体的、精神的、性的虐待 ファロン自身が患っている疾患は双極性障害、強迫性障害、パニック発作。遠い親族に殺人者、殺人嫌疑者、兄弟にADHDがおり、本人の行為障害的行動についても語っている。ジェームズ・ブレアは扁桃体の機能不全こそがサイコパスの主な原因とするが、その原因については不明としている。 現時点で言えることは、以下の2点である。 脳の機能について、遺伝の影響は大きい 生育環境が引き金になって反社会性が高まる可能性がある 虐待や劣悪な環境を避けることで反社会性の発現のいくらかは抑えられるという研究がある[要ページ番号]。 脳の特徴 『扁桃体』領域が不具合を起こしているという説が主流である。また前部帯状回の活動も健常者に比べ低い。 ジェームス・ファロンによる分析では、健常な人の脳と比べた場合に、前頭前皮質の「腹側システム(扁桃体・眼窩前頭皮質)および側頭葉前部)」の活動が異常に低い。一方で、前頭前皮質の「背側システム」の活動は活発なままであった。
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