厄年
『源氏物語』「薄雲」 光源氏32歳の年、最愛のひと藤壺(入道后の宮)は、女の厄年である37歳を迎えた。その年の正月以来、藤壺は病悩が続き、3月には重態に陥り、光源氏に見取られて崩御した。
『源氏物語』「若菜」下~「御法」 紫の上は、厄年である37歳の正月下旬に発病して、重態となった。4月頃には、六条御息所の死霊が出現して、紫の上は一時息が絶え、死去の噂も立った。6月になって小康を得たが、その後も病気がちのまま、紫の上は数年後に没した。
★2.厄年に心中する。
『小袖曽我薊色縫(こそでそがあざみのいろぬい)』(河竹黙阿弥) 大磯の遊女十六夜(いざよい)と極楽寺の僧清心は、心中しようと稲瀬川に身を投げる。その時十六夜は、名よりも年は3つ増しの厄年19歳、清心もまた厄年の25歳だった〔*しかし2人は心中に失敗する〕。
『曾根崎心中』 平野屋の手代徳兵衛と天満屋の遊女お初は、曾根崎の森で心中する。その時、徳兵衛は25歳の厄年、お初も19歳の厄年だった。
『母のない子と子のない母と』(壺井栄)11 迷信深い田舎では、親の厄年に生まれた子は「鬼っ子」だというので、七夜のうちに村の四つ辻などへ捨てるならわしがあった。あらかじめ拾い親が決まっており、すぐにその辺のかげから出て来て子供を抱き上げ、家へ帰る。そのあとを追うようにして、産みの親が子供をもらいに行き、それでもう「鬼っ子」ではなくなる。捨てる代わりに、「捨吉」「捨次」など、「捨」の字の名をつけてすませることもあった。
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