博士 (文官)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/18 13:28 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動博士(はかせ)とは、古代律令制下に設けられた官職で、狭義には明経博士、広義には学生(がくしょう)を教授試課する教官を指す。
概要
古くは大学や教育とは無関係な専門技術者に「博士」の名を冠することがあり、『日本書紀』の欽明天皇14年(553年)6月の「医博士・易博士・暦博士等」、崇峻天皇元年(588年)是歳条の「鑪盤博士白昧淳・瓦博士麻奈文奴・陽貴文・憭貴文・昔麻帝弥」、推古天皇元年(593年)4月10日条の「博士覚哥」の例が見られる。大化改新における臨時の官職として、国務顧問としての国博士2名を任命した、ともある。
律令制では、大学寮に中央の大学に古典を教える博士(大学博士)1名・助博士(すけはかせ、助教)2名、および音博士・書博士・算博士があり、ともに学生の教授や試験を担当した。陰陽寮にも陰陽博士・暦博士・天文博士・漏刻博士、典薬寮に医博士・針博士・按摩博士・呪禁博士(じゅごんはかせ)、さらに紀伝博士・文章博士・明法博士が置かれている。地方でも大宰府に大宰博士、諸国に国博士が1名ずつ設置された。登用試験の際には、問頭博士(主任試験官)・試博士・証博士(立会試験官)も選任されている[1]。
平安時代中期以後、大学はすたれ、博士を出す家(博士家)は固定していった。
また、『左経記』長元7年(1034年)8月21日の記録によると、釈奠講論の講師を学科名をつけて「博士」と呼ぶこともあったともいう。『東寺百合文書』の「正和二年(1313年)六月日弓削島荘領家方百姓等申状案」には、「最も頼るべきもの」という用法が見られる。
脚注
- ^ 『延喜式』巻8「式部上・下」
参考文献
- 『角川第二版日本史辞典』p767、高柳光寿・竹内理三:編、角川書店、1966年
- 『岩波日本史辞典』p931、監修:永原慶二、岩波書店、1999年
- 『国史大辞典』第十一巻p769、文:久木幸男、吉川弘文館、1990年
- 『日本古代史事典』p394、遠藤元男:編、朝倉書店、1973年
関連項目
「博士 (文官)」の例文・使い方・用例・文例
- 私たちの先生は博士という称号で呼ばれている
- それではここでアンダーズ博士をご紹介しましょう
- 博士号
- 彼は中国の大学から博士号を授けられた
- 博士論文
- 医学博士
- 博士課程
- ジョーンズ博士
- 湯川博士はノーベル賞を受賞し国に名誉をもたらした
- 名誉博士号
- 故スペンサー博士
- システム工学の博士課程
- 博士号を持っていたおかげで彼女はその仕事に就くのに有利な立場になった
- 彼は自らを博士と称する
- 彼は言語学での博士号に向けて勉強している
- 東方の三博士
- ジョンソン博士をお連れしました
- 最終試験に合格した者に博士の学位が授与されます
- 博士課程の学生
- 山田博士に実験の結果を報告するために病院を訪れた。
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