博士論文「19世紀フランスにおける写真」
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「ジゼル・フロイント」の記事における「博士論文「19世紀フランスにおける写真」」の解説
博士論文は1936年に完成し、ソルボンヌ大学に提出した。モニエはフロイントのフランス語での執筆に協力し、提出後に「本の友の家」書店から刊行した。「19世紀フランスにおける写真」と題されたこの論文は、2011年に現代出版資料研究所(フランス語版) (IMEC) の編纂により再刊された。本論文は、かつてブルジョワ階級のものであった肖像写真が複製技術の発展によって大衆化した過程を跡付けるものであり、学位論文で写真史を論じたのは初めてのことであった。この論文ではまた、肖像写真の普及に貢献した写真家として、彼女が尊敬するナダールについて論じている。フロイントによると、肖像写真がブルジョワ階級の特権であった時代には「美しく見せるための」修整技術が発展したが、修整を施すことなく、人間の「内面に秘められた知性」を写し取ろうとしたのがナダールである。一方、ナダールは人物を浮き上がらせるために背景を削除したが、フロイントは逆に、人物の特徴を際立たせるために「自宅」という個性的な空間を選んだ。 博士論文を提出・出版した1936年、フロイントはフランス国籍を取得した。
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