南関素麺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:28 UTC 版)
熊本県南関町。麺が非常に細い白髭素麺と曲げ素麺の二種がある。詩人北原白秋の好物だったとされ、『掛けなめて 玉名乙女が こきのばす 翁そうめんは 長き白糸』『手打ち素麺 戸ごと掛けなめ 日ざかりや 関(せき)のおもては しずけかりにし』と詩を詠んでいる。将軍家、明治天皇などに献上された歴史を持つ。 昔ながらの製法として、全国でも珍しい手捏ね手延べという手間のかかる素麺である。最盛期である明治中期には200を超える製麺所があり、すだれのように長く延ばした素麺干しの光景が数多く見られた。現在でも、町内で10軒の製麺所が、昔と変わらぬ伝統の味と製法を守り続けている。伝えられた当時そのままの製法で受け継がれている白髪素麺は、両切りの極細で半分ほどが節となる作り方だったが、江戸後期にそうめんの束ね枠が考案されてからは曲げそうめんが現在の主流となる。 前日に手捏ねた生地は、一晩ねかし小指大のひも状にまとめ、細長い生地をさらに細くもみのばしながら2本のシノダケに巻きつける。巻き終わった生地はムロでやすませ、様子を見ながら少しずつ引き伸ばされる。およそ30cmの長さだったそうめんの生地は、2~3回ひかれ最終的には8mほどまで延ばされる。 南関そうめんは1年を通して製造されるが、寒さの厳しい時期につくられたものがコシが強いとされる。
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