半月峠と阿世潟峠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 14:25 UTC 版)
半月峠は、半月山展望台から北西へ15分ほど歩いたところにある峠である。標高は1570m。十字路になっており、北へ向かうと山中を下って湖畔の狸窪に、西へ向かうと阿世潟峠に、南へ向かうとわたらせ渓谷鐵道間藤駅に至る。遠回りになるが、半月峠で狸窪へ下りなくとも、阿世潟峠まで行って湖畔の阿世潟へ下りて中禅寺温泉バスターミナルに戻ることができる。 半月峠は1920年(大正9年)に阿世潟峠越えに代わる、日光と足尾を結ぶ道路として開通した。修学旅行生らも多く利用したが、1936年(昭和11年)に自動車が通行できる細尾峠道が開通すると通行者は激減し、1939年(昭和14年)に最後の茶店が閉店した。生活道路だった名残りが、半月峠 - 狸窪間の石垣に残されている。峠の周辺は、ダケカンバ・ヤシオツツジ・カラマツ・ナナカマド・コメツガなどが混交する低中木林帯が広がる。 阿世潟峠は日光を開山した勝道上人が中禅寺湖畔から足尾郷へ向かう道として開いたと伝えられる。江戸時代には足尾銅山が江戸幕府の直轄となったことで往来する人が多かったが、明治から大正にかけて山崩れが頻発したため、代替として開削された半月峠越えに取って代わられた。(山崩れは、久蔵沢方面から流れ込んだ足尾銅山の有毒ガスで植生が失われたのが原因である。)峠の標高は1420mであるが、湖畔との標高差は100m強であるため、阿世潟峠 - 阿世潟は比較的容易に往来できる。なお、阿世潟峠よりさらに西へ尾根を進む登山道があり、社山・黒桧山を経て群馬県境の三俣山まで続く。ただし、黒桧山 - 三俣山間は登山者が少なく、道は自然に戻りつつある。
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