半地下構造採用の理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 09:28 UTC 版)
「名古屋市道鏡ヶ池線」の記事における「半地下構造採用の理由」の解説
都市高速道路を高架式で建設すれば景観を損ねるだけではなく、騒音や排気ガスの増大、日照阻害の懸念が生じるが、トンネル方式で建設すればこれらの問題は概ねクリアされる。しかし、鏡ヶ池線で選択されたのは半地下構造で、それは次の理由によっている。トンネル式では排気ガスを強制排気させる換気施設が必要で、換気塔も高層となることで景観面でマイナスであること、および維持費も必要となる。しかし半地下式では天井に7mの開口部があることから自然排気が可能で、トンネル式に比べ火災等非常事態における排煙面で有利である。また、トンネル式を採用するにしてもシールド工法で採掘可能な範囲は日進通を中心として400 mのみであること、等の理由である。なお、建設コストはトンネル式に比べ、高速道路建設後に埋め戻しを行うことで割高になるとされる。 この半地下方式は1号楠線、都心環状線の一部区間でも計画されたが、既存道路直下には下水道や各種ケーブルの埋設物があることから、オープンカットで建築することは不可能に近く、河川を半地下で通過することも出来ない。なお、道路直下の下水道幹線は深さ約10 m、大きいもので幅4 m、高さ3 mで2本並行する場合もあり、加えて、電話線、ガス管、地下鉄などがあって、その規模や数は膨大である。それを承知で敢えて都市高速を地下に潜らせれば、工期が長期化することに加え、工費も割高になることから半地下式は破棄され、高架式に再変更されている。一方で鏡ヶ池線の場合は、住宅を立ち退かせて道路を新設するため埋設物の心配が皆無であることから、名古屋高速において掘割式および半地下式を採用しているのは、若宮大通東端区間と鏡ヶ池線のみとなっている。
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