北朝鮮政府の説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:57 UTC 版)
北朝鮮政府は、大韓航空機爆破事件(KAL858事件)および1983年のラングーン爆弾テロ事件について、その犯行を認めていない。上述のように、1991年5月16日、埼玉県警察は「李恩恵」が田口八重子であることを確認した。これにより、拉致問題が日朝間の懸案事項として登場した。 北朝鮮政府は、2002年9月、日朝平壌宣言に先立つ小泉純一郎の訪朝に際し、田口八重子を1978年に拉致したことを公式に認めたが、彼女が大韓航空機爆破事件の1年以上前の1986年7月30日に死亡した女性であると「説明」しており、「李恩恵」なる人物の存在を認めていない。その後も、北朝鮮は、大韓航空機爆破事件には北朝鮮は関与しておらず、韓国のでっち上げ、または韓国の組織による自作自演だという立場をとっており、金賢姫という工作員がいたことも否定している。 北朝鮮側は、田口八重子について、大阪府の中華料理店に勤務していた調理師男性の原敕晁(当時43歳)と結婚したが、1986年に原が病死すると、まもなく自動車事故で死亡したものとしている。しかし、北朝鮮は田口の遺体は洪水で流失したものとしている。 北朝鮮政府は、朝鮮戦争もラングーン事件も大韓航空機爆破事件も自分たちの仕業であることは認めておらず、拉致犯罪についても小泉訪朝まで「日本の反動勢力のでっち上げ」だと主張し、拉致を認めた後も、出しにくい人は死んだことにして、それ以外はいないと述べてきたのが現実である。
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