化学的影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:03 UTC 版)
「マロラクティック発酵」の記事における「化学的影響」の解説
乳酸菌がリンゴ酸を乳酸に変換するのは、生育に必要なエネルギーを間接的に生み出せるからである。すなわち、細胞内と外側(ワイン)のpHの差を利用した化学浸透によりATPを合成する。この反応がどのように行われるかを説明するモデルでは以下のような説明がなされる。低pHのワインに多く含まれるL-リンゴ酸は負に帯電したモノアニオン性の形をとる。このアニオンを細菌がよりpHの高い細胞膜中に取り込むと、全体として負に帯電することになるため電位が発生する。リンゴ酸が脱炭酸されてL-乳酸になるとき、二酸化炭素と同時にプロトンも消費するため、pHに勾配が生まれATPを合成できる。 乳酸菌がL-リンゴ酸を変換する反応は、ワイン用ブドウで自然に起こりうる。市販されている添加物のリンゴ酸は、D+体とL-体の光学異性体の混合物である。
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