動物行動学の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:33 UTC 版)
近代以降、動物の行動を詳細に観察し、記述した最初の一人はファーブルであった。しかしファーブルは昆虫の行動の精緻さを創造の証拠だと考えた。同時期にイギリスではダーウィンがオランウータンを観察し、その振る舞いが人間とわずかにしか異ならないことに注目した。ダーウィンの視点と進化の概念の影響を受けたロマネスは比較心理学と呼ばれる一派を創設し、人と動物の心理の差は性質ではなく量的な違いであると主張した。 初期のエソロジストには鳥類の求愛行動を観察したジュリアン・ハクスリーや刷り込み現象の先駆的な研究を行ったオスカー・ハインロート、鳥類学者ウィリアム・ソープ、昆虫学者ウィリアム・モートン・ホイーラー、霊長類学者ロバート・ヤーキースなどが含まれる。20世紀にはアメリカでジェイムズやマクドゥーガルの生得論とワトソンの行動主義が鋭く対立した。この対立は、アメリカを訪れたローレンツ、ティンバーゲンそれぞれに影響を与えた。2人は自分の研究がマクドゥーガルに近いと考えた。重要な一歩は信号刺激の発見であった。信号刺激とそれに対する反応は種普遍的(種の多くの個体に影響し)で種特異的(他の種には見られない)であり、行動の生得性を示唆する。
※この「動物行動学の歴史」の解説は、「動物行動学」の解説の一部です。
「動物行動学の歴史」を含む「動物行動学」の記事については、「動物行動学」の概要を参照ください。
- 動物行動学の歴史のページへのリンク