動物行動学の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:33 UTC 版)
動物行動学は大まかに二つに方向に分けることができる。一つは行動の至近要因(行動の社会的、生理的、神経学的要因)を扱う分野であり、もう一つは行動の究極要因(進化)を扱う分野である。至近的な分野には分子生物学や遺伝学的な手法を用いてモデル生物に対する実験を行う行動遺伝学(動物行動遺伝学)、神経行動学なども含む。一般的には狭義の野外で野生の状態を観察する生態学的な研究や、研究室内でラットやチンパンジーなどを用いる研究を指す。野外では哺乳類や鳥類、社会性昆虫などを対象とすることが多い。 様々な行動を比較するとき、その目的によって分ける考え方はわかりやすい。たとえば餌を食べるための摂食行動、繁殖のための繁殖行動といった具合である。また、繁殖行動は、さらに配偶者を求める配偶行動や卵を産むための産卵行動や子育てのためのといった細分化が可能である。特に生殖に直結する繁殖行動は注目されることが多い。しかし、動物自体が目的を意識しているかどうかはわからない。そのようなものを科学の対象としては据えられないから、動物の行動を研究対象とするには、違う方向からの切り込みが行われることが多い。
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