動物の生贄禁止への動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:19 UTC 版)
「ガディマイ祭り」の記事における「動物の生贄禁止への動き」の解説
2014年10月、People for Animals Uttarakhandの理事で、世界最大級の動物保護団体ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(英語版)(HSI)のコンサルタントでもあるGauri Maulekhiは、この祭りで殺される動物をインドからネパールへ輸送することに反対する嘆願書を提出した。これを受けインド最高裁判所は、ガディマイでの生け贄のために動物が国境を越えて違法に輸送されるのを防ぐよう、インド政府に指示する暫定命令を下した。また動物保護団体などに対し、裁判所命令が確実に履行されるようにするための行動計画を策定するよう求めた。 動物愛護運動家たちはこの裁判所の決定を称賛しており、ネパールでの動物の虐殺を禁止させるために圧力をかけ続けていくという。動物ネパール福祉ネットワークのマノジ・ガウタム会長は、「私たちの目標は、動物を宗教的ないけにえに用いるのを完全に止めさせることだ。インドでの輸出禁止措置はかなりの効果があったが、ネパール政府にこの野蛮な儀式を止めさせる必要がある」と語っている。 2014年、インド内務省は、ガディマイ寺院に隣接するビハール州とウッタル・プラデーシュ州に、祭りのためにネパールに動物を連れて行かないように監視するよう指示した。 HSIインド代表のNG Jayasimhaは、禁止事項が遵守されていることを確認するためにネパールを訪れ、ザ・タイムズ・オブ・インディア紙のインタビューでは、「ガディマイで不当な斬首刑に処せられている何十万もの罪のない動物たちのために、ネパールの政治家たちと話ができたことをとても嬉しく思います」。また、「ガディマイ寺院と、地元の判事とも直接話をしました。そうすることで、慈悲を求める圧倒的な声を確信することができます。私たちは、彼らがこの不必要な流血を止めるために行動してくれることを切に願っています」と語った。 2014年11月下旬、ガディマイ祭りが行われたが、今回は隣国インドが動物の輸出を規制したため、生贄の数が前回の約30万頭から約20万頭へと大幅に減ったとされる。 2015年7月28日、この祭りはHSIインドによって「禁止」されたが、この決定に法的効力はない。 ネパールの寺院側は2015年7月に、今後行われるガディマイ祭りにおける動物の生け贄をすべて中止すると発表した。 寺院側やインド最高裁判所が動物を生贄にするのをやめさせるよう命じたことから、数世紀にわたって続いた習わしが終わりを迎えるとの期待が高まった。
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