動物の生息環境として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 00:03 UTC 版)
動物にとって、草原は森林とはまた異なった独特の場である。森林に見られる層構造や複雑な基盤がない場では、多くの動物は水平面に等しく並んで生活することが必要になる。空中を移動できる鳥から見れば、すべてが見渡せてしまう。猛禽にとっては狩りのしやすい場となろう。狩られる側からは、身を隠すのが難しい。有効な方法としては、穴を掘って身を隠すことが挙げられる。多くの小動物が巣穴を作る。中には多くの巣穴がつながった大規模なものを作るものもある。 より大きな動物では、穴を掘ることもかなわない。ただし、猛禽の攻撃対象ではないから、むしろ大型肉食獣との関係が問題になる。草食獣は、隠れるのは難しいので、むしろ、より早く敵の接近を感知し、より速く逃げる方向に進化する。つまり背が高くなり、高い位置から見渡せるようになるとか、高速で駆け回れるとか、跳躍力を身につけるといった方向である。また、群れを作るものが多い。集団でいた方が、警戒も交替で行えるし、攻撃を受けづらくなる。肉食獣は、草の間に身を伏せて接近するとか、集団で追い回すなどの戦術が必要になる。 また、見通しの聞かない森林においては、声による情報伝達が用いられることが多いのに対して、見通しのよく効く草原の動物では、視覚による情報伝達が利用されやすい。
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