効能に関する研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/21 10:00 UTC 版)
エラグ酸は、数多くのin vitroと小動物での実験で抗癌性と抗酸化性を示している。エラグ酸の抗癌性は、ニトロソアミン類および多環芳香族炭化水素を含む特定の発がん性物質のDNAへの結合を直接阻害する能力によるものである。エラグ酸は、他のポリフェノール系の抗酸化物質と同様に、細胞への酸化ストレスを減らすことによる化学的な予防効果がある。しかしながら、エラグ酸は、お茶などに見られるカテキンと拮抗する。 エラグ酸は、その摂取による潜在的なヒトの健康上の効能に関心が持たれている。しかし、これらの提案された効能についての研究が2010年に至るまでほとんど報告されていない。頸動脈狭窄症患者19名を含む小規模なランダム化比較試験は、エラグ酸を豊富に含むザクロ果汁の摂取が血圧と頸動脈壁の厚さを減らす効果を示した。前立腺癌の化学療法を受けていた48人の患者の2005年の対照実験では、(エラグ酸または対照群いずれでも重度の好中球減少症はなかったが)エラグ酸サプリメントは、化学療法に伴う好中球減少症の割合を減少させることを示した。エラグ酸サプリメントは、この試験では前立腺癌の患者の全生存期間及び無増悪生存期間の改善を示さなかった。 ヒトの健康上の効能を支持する証拠はごく初歩的な状態であるにもかかわらず、エラグ酸は、癌、心臓病、その他の健康問題に対する効能を謳った栄養補助食品として米国で販売されている。エラグ酸は、アメリカ食品医薬品局によって「消費者が避けなければならない偽癌治療法」とされている。多数の米国に拠点を置く栄養補助食品の販売者は、米国連邦食品医薬品化粧品法に違反した効能を謳ったエラグ酸の販売をしているとしてアメリカ食品医薬品局から警告書を受けている。
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