加硫ゴム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/12 07:32 UTC 版)
ポリエステル織物などの基材に、天然ゴム/EPDMゴムブレンド、水素添加ニトリルゴム等のエラストマーをコーティングした素材である。近代的な加硫ゴム製ドライスーツは、この素材の生地を未加硫の状態で一体に接合した後、金属製のマネキンに被せ、大きな加硫釜に入れて熱加硫することで製造される。この工法によれば、部材が完全に接合するので、防水性や防水信頼性に非常に優れたドライスーツが出来上がる。表面の吸水性が非常に低いため(実質的にゼロ)、汚染物質の除去が容易であり、素材に吸収された水分の気化熱による浮上後の体温損失がない。また、ピンホールの修理をタイヤチューブのパンク修理同様の方法で容易かつ迅速に行うことができる。これらの利点により、欧米のコマーシャルダイビングや、南極等極寒地でのダイビングにおいては主流の素材となっている。生地が重く嵩張ること、また製造に使用するマネキンをサイズ毎に準備する必要があることから小刻みなサイズ設定ができないことが欠点である。ヘルメット潜水に用いられる伝統的な潜水服もこの素材でできているが、上記とは異なり、生地の状態であらかじめ加硫した部材を接着剤で接合することで製作される。表面の吸水性が低い等の特徴は同じであるが、防水信頼性の点では上記の方法で製作されたものと比較すると劣る。
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