剣と刀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 10:15 UTC 版)
刀剣のうち、片刃のものを刀と呼び、諸刃のものをさして剣と呼ぶのが漢字の字義からは正しい。ただし、日本語およびその文化では、広義の「剣」は刀も含めた刀剣類全般を指す言葉として用いられる。これは、日本刀の発明以後、諸刃の剣が完全に廃れてしまい、日本では区別する必要がなくなったためである。 特殊な物を除き一般的な刀剣は、突いたり斬ったりするのに一番重要なのは、切先から10〜30cm辺りである。数打ちと言われるような大量生産された物の中には最低限の刃しか付いていない物もある。 木刀や刃引きされた刀(刃をなくし切れない)に対して、「木剣」や、実際に刃を有する刀を「真剣」と称し、また「刀」を用いる武術・武道のことを、刀術(『本朝武藝小傳』など極少数の文献にのみ使用される)ではなく剣術、剣道と言うことからも「刀」と「剣」という語の関係が透けて見える。これは、日本では剣から刃先を鋼にする日本刀へ、ほぼ完全に変化したことが大きく影響されていると思われる。 中国では両手に同じ大きさの剣を持つ双剣術と日本刀と同じように1本の剣を持つ単剣術があるが、基本的に片手だけで扱う。両手で扱うものは双手剣として分けられる。 日本で剣と単に呼ぶ場合、剣術・剣の道・剣の技・流派・生き様などを指すことが多く、武器そのものを意味する場合は剣と書いて「つるぎ」と読ませることもある。
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