利害からの中立性の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 06:48 UTC 版)
「エンストローム論文」の記事における「利害からの中立性の問題」の解説
2000年8月2日にWHOたばこ産業文書に関する専門家委員会は、アメリカにおけるたばこ産業に対する訴訟において、たばこ会社の秘密文書が公開された結果、たばこ業界が秘密裏に資金を提供している、学会もどき、世論形成団体、ビジネス団体などを通じ、WHOのたばこ規制に対する妨害工作を行っていたこと、その活動が、たばこ産業界と陰で資金的につながりのある国際的な科学者達に強く依存していた旨を報告している。 このような背景があり、エンストローム論文は2003年に発表されたものであるが、エンストロームがたばこ会社から研究資金を受けており、この研究自体が曝露群の誤分類などの統計上の瑕疵によって、恣意的とも受け取れる程に受動喫煙によるリスクが過小となる方向性での評価を行っていることから、その利害からの中立性は発表当初から問題とされ、裁判所からは詐欺行為の証拠とされた。このため、米国ではたばこ会社から研究資金を受けることの是非についての議論がなされるようになった。
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