判定・勧告についての不作為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/30 14:53 UTC 版)
「勤務条件に関する措置の要求」の記事における「判定・勧告についての不作為」の解説
事前手続きの段階での公務員の不利益処分への関与が現行法では保障されていないのと同様に、人事委員会が定める措置要求の手続きには、標準処理期間が定められていないことが多く、手続きについての法令上の保障がないことから、人事委員会が判定をせずに引き延ばすことがある。これについては、裁判の迅速化に関する法律のように、人事委員会による判定までの処理期間について標準的な期間を定めるように求める措置要求が勤務条件に関する要求ではないのとされているので、改善される見込みはない。人事委員会又は公平委員会が判定をしない場合は、不作為の違法確認の訴え及び義務付け訴訟を提起することになる。東京都人事委員会の事例では、措置要求書の受理から6か月を過ぎても判定をしなかった事例において不作為の違法確認の訴えが提起された際には、人事委員会が訴状を受理後に判定を行うが、措置要求後、4か月経過しても判定がなく措置要求後に判定がなく不作為違法確認及び義務づけ訴訟が提起され、措置要求提出から6か月経過した口頭弁論終結の3日後に東京都人事委員会が判定をした事例において東京地裁は、口頭弁論再開を認めず、口頭弁論終結までに判定をしないことは違法ではないとした。不作為の違法確認の訴えが提起されるまでは人事委員会が確信犯的に判定をしないようにしていると疑われるような場合であっても、故意に遅らせていることを客観的に証明することは現実的には難しい。職員側の実効性のある現実的な対応策として、人事委員及び当局職員個人を被告として遅延行為についての損害賠償請求訴訟を提起すると、その後の人事委員会の事務処理に遅延がなくなることがある。措置要求書を郵送する場合に、措置要求書が人事委員会に到着後にしばらく棚ざらしにしてから受理の手続きを行う遅延行為や”郵便事故”による不着を防止するためには、配達日が確認できる書留等により提出する必要がある。
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