初期ストア派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/18 15:51 UTC 版)
ストア派の特徴は、世界と人間の連続性を自覚することである。ストア派の創始者であるキティオンのゼノンによれば、物事の目的とは自然本性の完成であるがゆえに、人間の自然本性とは何であるかが分かれば、人間の目的もまた明らかになるはずであった。そして、人間の自然本性と宇宙の自然本性とは連続しており、宇宙の自然本性とは法則性=必然性に他ならないから、人間の目的とは、正しい推論(すなわち論理法則)に従って行動することである。 義務は次のように定義される。「生における整合的なことで、それが実行されたときに合理的に説明されることである」。これとは反対のことは義務に反することである。これは、非ロゴス的な動物にも及ぶ。なぜなら、それらも、それ自身の自然本性と整合的な何らかの働きをしているからである。理性的な動物の場合は、次のように説明される。「生における整合的なこと」。 — ストバイオス『抜粋集』第2巻7-8 ゼノンの傑出した弟子であるクリュシッポスは、ディオゲネス・ラエルティオスの証言が正しいとすれば、古代ギリシャ以来のピュシスとノモスとの区別を整理し、自然法を各国の法より高次のものであると解した。 また正しくあることは自然本性によるのであって制定によるのではなく、それは法や正しい推論の場合と同じである。これはクリュシッポスが『善について』の中で言っている通りである。 — ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシャ哲学者列伝』第7巻128
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