分裂に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:06 UTC 版)
この類は総じて珪酸質の鱗の組み合わさってできた殻を持つ。無性生殖は2分裂によるが、その際にはあらかじめ母細胞質内で分泌された鱗から形成された新たな殻が元の殻と口を向き合わせてくっつけた形で形成され、その後に細胞質が分かれてその1つが新たにできた殻の中に移り、2個体となる。この種の場合、分裂に際しては母細胞が持つ2個の色素体のうちの1個が分裂で新たに形成される細胞に移動する。色素体はその後に各細胞内で分裂し、個々の個体は元通りに2個の色素体を持つことになる。観察では色素体が1個だけの個体が稀に見られ、たとえば本種発見のすぐ後にその殻の構造を報告した Penard は1905年に発表した報告で色素体が1本だけしか持っていない個体の図を示しているが、これは分裂直後の個体を観察した場合であるらしい。 分裂はこの類全体で同じように行われるが、その際にどのように殻が形成されるかは判明していなかった。しかし2014年に、本種において殻の形成過程が観察された。それによると、殻を構成する鱗は個々に作られ、それを特殊な仮足で保持し、口側から上に向かって積み上げるような形で組み立てるようにして作られる。鱗は多数あり、その殻上の位置によって大きさも形も異なるが、アメーバは正確に組み立ててゆくという。なお、このような研究が成立したのは、本種が培養可能であることにもよるという。 参考までに、この経過は顕微鏡下でビデオ撮影され、ユーチューブ上で公開されている。
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