分数楽器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 01:01 UTC 版)
ヴァイオリンは、奏者の体格に対して楽器が小さすぎると指板の運びが窮屈となり、また大きすぎると弓運びが困難となる。通常の大きさ(4/4、フルサイズ)の他に、子供向けの小さなヴァイオリンも作られており、3/4、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32 などが一般的である。これらを分数楽器と呼び、スズキ・メソードなど弦楽器の早期教育で用いられ、分数楽器に合わせた弓や弦、駒も市販されている。ヴァイオリンの重量から前屈みの演奏になってしまうため美しくないとされる(若干前屈となるのはヴィオラの奏法である)。男女とも体格の完成する中学生前後でフルサイズに移行する者が多いが、大人であっても体格や重量などから3/4を選択したり、フルサイズより僅かに小さい7/8といった希少寸法の分数楽器を用いるケースもあり、体格に見合ったヴァイオリン・弓を使うことが重要とされる。 分数楽器の数字は通常、大人用(4/4サイズ)に対する胴部の容積の比率を表していると説明される。しかし実際には、現在作られているヴァイオリンの殆どが、フルサイズ=胴体の長さ14 インチ、3/4=同13 インチ、1/2=同12 インチといった等差的な寸法になっている。特に1/8 以下の楽器はメーカーによってもかなり寸法が異なるため、体格に合わせた楽器選びが重要となる。
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