調弦方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 01:01 UTC 版)
ペグを回すことで調弦するが、E線はペグだけでは微調整が困難なので、アジャスターと呼ばれるテールピースに取り付けられた小さなネジを回すことによって調弦する。微調整の難しい分数楽器や初心者向けの楽器は、他の弦にもアジャスターを取り付ける場合もある。ペグボックスに張られたD線・A線の弦を押し込む、弦を引っ張って弾くなどの微調整が行われることもある。 通常はまずチューナー (ピタゴラス音律に設定できるもの)や音叉などでA線を439 ~ 440ないし442 ~ 445 Hzに調弦し、次いでA線とE線、A線とD線、D線とG線をそれぞれ同時に弾いて、完全五度の和音の特有の響きを聞いて調弦する。協奏曲演奏に際しては、シントニックコンマ高めるか448 Hzに高めるなど445 Hzを超えるように調整して華やかな独奏ヴァイオリンを引き立たせることもある一方、バロック音楽を演奏する場合などは438 ~ 436 Hz、415 Hzなど低めのチューニングを行うこともある。特に指定がある場合、楽譜に「A=435」などと記載されるケースもある。 オーケストラによっては、演奏開始前にオーボエがAの音を出すか、2ndないし1stヴァイオリンの首席奏者となるコンサートマスターがA線を開放弦で弾き、その音調に合わせて弦楽器が改めてチューニングを行うことがある。コンサートマスターは(奏者の中では)最後にステージに上るので、舞台袖で入念にチューニングを行ってからステージへ向かう。
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