分布と標本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 06:12 UTC 版)
ヨーロッパに近縁種をもつアメリカの種であるドリオサウルスが命名されたがヨーロッパで発見されたほとんどのドリオサウルス科(Dryosaurididae)の化石はヴァルドサウルスのものとされることになった。ヴァルドサウルスはイングランド(ワイト島のウェセックス累層( en)およびウェスト・サセックスのヘイスティング層(en))のみならずルーマニア(ビホル県のコルネットのボーキサイト(en))およびスペインにも生息していたようだ。これらの岩相層序単元(地層の年代)はベリアス期からバーレム期(1億4500万年前から1億2500万年前)である。V. canaliculatusは大腿骨のみが知られていたものの、部分的な首から後の骨格と歯骨、歯の標本が後に加えられた。 しかし、2009年にガルトンがヴァルドサウルスの化石についての批判的な再評価を行い、イングランド以外から発見された化石に確実にこの属ものとできるものはないと結論した。それゆえV. nigeriensisを独自の属エルラゾサウルスへと分類した。全ての頭部の化石と歯を含む多くのイングランドで発見された標本でさえもヴァルドサウルスのものであるかは不確定であるとした。上部ウィールデンクレイ累層(en )(バーレム期後期)で発見された後肢や骨盤がV. canaliculatusのものとされている。またヘイスティング層前期(バランジュ期)の化石はValdosaurus sp.とされている。ガルトンはオーウェンが1842年にイグアノドンのものであるとして記載した大腿骨、標本BMB 004297-004300が初めて記載されたヴァルドサウルスであったと確証した。また、タイプ標本の大腿骨は非常に小さく、長さ14 cmほど(体長1.2 m、体重10 kgと推定される)であるが、これは幼い個体のもので、生体は中程度の大きさの真鳥脚類となり、大腿骨は50 cmほどであっただろうと強調している
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