函数等式の一般論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/19 22:54 UTC 版)
このような函数等式についての理論をまとめあげたのはエーリッヒ・ヘッケであり、またジョン・テイトが自身の修士論文として再び採り上げている。ヘッケは今日ヘッケ量指標と呼ばれる数体の一般化指標を発見し、それによって(テータ函数に基づく)証明を完成させた。これらの指標およびそれに付随する L-函数は、今日では(ディリクレ指標が円分体に関係するのと同様に)虚数乗法に強く関係するものと理解されている。 エタールコホモロジーにおけるポワンカレ双対性(の類似)に対する基本的レベルから生じる局所ゼータ函数に対しても函数等式が成立する。数体 K 上の代数多様体 V に対するハッセ-ヴェイユゼータ函数(これは素イデアルを法とする還元で局所ゼータになる)のオイラー積は、大域的函数等式を持つであろうと予想されているが、現在のところ特別な場合を除いて証明には至っていない。定義はエタールコホモロジー論から直接読み取ることができるが、一般に保型形式論に由来するいくつかの仮定は函数等式を要求するものであると見ることができる。谷山・志村予想はこのような一般論における特別の場合を論ずるものであった。ガンマ因子の特徴をホッジ理論と関連付け、予期される ε-因子を詳しく調べることによって、経験的なものであった理論は(証明こそ得られていなかったものの)極めて洗練されたものへと変わっていった。
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