出端の唄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 16:01 UTC 版)
助六が花道から出る時の伴奏音楽を「出端の唄」という。初演時および初期の興行の多くでは代々の江戸半太夫とその弟子たちがこの詩章を語った。その後現在に至るまで最も多くの興行でこれを務めているのは代々の十寸見河東とその弟子たち、いわゆる「河東節連中」(かとうぶし れんじゅう)である。 河東節は十寸見河東(ますみ かとう)が創始した浄瑠璃の流派の一つであるが、専業で行う者は今も昔も非常に少ない。このため、『助六』が上演されるときは、かつては蔵前の旦那衆が、そして今日では「十寸見会」(ますみ かい)という愛好会に所属する素人の語り手たちが、交代でこれを務めることになっている。ただしここでいう素人とは本職が別にあるという意味で、その技量は玄人はだしであることはいうまでもない。 河東節は、七代目團十郎が成田屋 市川團十郎家の専売特許扱いにしてしまったため、以来他家が『助六』を上演するときは成田屋に遠慮して、「出端の唄」は長唄・常磐津・清元などに代えて行うことが決まり事になっている。→ 詳細は下記「今日の助六」節を参照。
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