冊封と朝貢貿易
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:20 UTC 版)
冊封とは、中国皇帝が周辺国と結ぶ外交関係であり、周辺国の君主は形式的に中国皇帝の臣下となるかわりに自治を認められた。中国の統治原理では、中央と地方の外には、少数民族の指導者を地方官に任命する間接統治があり、さらに外には異民族統治の藩部、朝貢による統治、相互関係の強い互市国、そして教化が及ばない化外という分類がされていた。冊封を結んだ国とは朝貢という形式で管理貿易を行い、周辺国は貢物として方物(礼物)を送り、中国は貢物よりも高価な回賜(褒美)を送った。朝貢をする国が遠方にあるならば、一定の周期で朝貢するように取り決める場合が多く、年期制と呼ばれた。朝貢は中国側にとって不利な貿易であったが、安全保障として役立った。冊封の体制は前漢の時代に整い、朝貢の制度は中国の周辺国でも行われた。たとえば奈良時代の日本は渤海国から朝貢を受けており、内モンゴルから華北にかけてを領土とした遼は、西夏などの国から朝貢を受けた。
※この「冊封と朝貢貿易」の解説は、「貿易史」の解説の一部です。
「冊封と朝貢貿易」を含む「貿易史」の記事については、「貿易史」の概要を参照ください。
- 冊封と朝貢貿易のページへのリンク