内田栄一_(歌手)とは? わかりやすく解説

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内田栄一 (歌手)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/08 13:27 UTC 版)

内田 栄一
(内田 榮一)
生誕 (1901-03-25) 1901年3月25日
出身地 日本京都府
死没 (1985-07-27) 1985年7月27日(84歳没)
日本
学歴 東京音楽学校
ジャンル クラシック音楽
職業 声楽家バリトン
歌手
オペラ歌手
音楽教育者
指揮者
合唱指揮者

内田 栄一(うちだ えいいち、1901年明治34年)3月25日[1] - 1985年昭和60年)7月27日[1])は、昭和期の声楽家バリトン)、歌手オペラ歌手、指揮者合唱指揮者音楽教育者。旧字体の榮一と表記されるときがある。

経歴

京都府出身[1]1925年大正14年)東京音楽学校本科卒業。ネトケ=レーヴェに師事。1927年(昭和2年)[2]2月[3]に開始されたNHK放送オペラのメンバー(松平佐登子(松平里子)、佐藤美子田谷力三、内田)[3]により、同年10月[4]オペラの研究並びに紹介をなす[4]」ことを目的として、歌劇研究グループ「レスビアン・ヴォーカル・フォア」(のち「ヴォーカルフォア」)結成。のちに田谷と佐藤が脱退する。第一次放送オペラは1930年(昭和5年)まで全18回放送される[3]

1929年(昭和4年)7月30日(火)主催 ヴォーカル.フォア「内田栄一 独唱ノ夕」開催(ピアノ伴奏 上田仁、於 日比谷音楽堂)[5]

1930年(昭和5年)11月15日(土)に主催ヴォーカル フォア合唱團「松平里子渡欧記念演奏會」が開催[5]され、松平は1931年(昭和6年)渡欧の際にヴォーカルフォア合唱団の運営を内田と平井美奈子に託した[6]。内田はヴォーカルフォアを運営し、第二次放送オペラ(1931年(昭和6年) - 1937年(昭和12年)全19回に出演[3]

並行して、ソリストとして、1928年(昭和3年)近衛秀麿作曲・指揮の新交響楽団(後のNHK交響楽団)『大禮交聲曲』のバリトンソロを務める。同曲は1931年(昭和6年)に同じく新交響楽団で再演され、やはり内田がバリトンソロである。ヴォーカルフォア主催公演においては、1928年(昭和3年) - 1938年(昭和13年)の間に少なくとも8回出演。藤原歌劇団でも、1935年(昭和10年)プッチーニトスカ』アンジェロッティ以来ソリストを務めている[7]。1936年(昭和11年)3月には日比谷公会堂にてガブリエル・フォーレ作曲『鎮魂彌撒曲』日本初演にバリトンソロで出演[8]。藤原歌劇団への出演は1946年(昭和21年)のマスカーニカヴァレリア・ルスティカーナ』アルフィオまで続いた[7]。その後のオペラへの出演は、1949年(昭和24年)日本オペレッタ協會旗擧公演オッフェンバック『ブン大將』タイトルロールと、1950年(昭和25年)都民劇場第7回公演ユリウス・アイヒベルク『アルカンタラの醫者』バルタザルのみとなっている[7]

1945年(昭和10年)ヴェルディリゴレット』以来、藤原歌劇団の合唱をヴォーカルフォア合唱団がつとめており、合唱指揮を内田が行っている。こちらも1946年(昭和21年)のレオンカヴァッロ道化師』『カヴァレリア・ルスティカーナ』まで続いている[7]。(合唱はヴォーカルフォア合唱団→日本合唱團→藤原歌劇団合唱部と改称を続けて引き続き存続している)

レコードに関しては、戦前から戦中にかけてきわめて数多くの吹込みを行っており、流行歌もあるが、軍歌なども多く、国威発揚に大いに動員されている。その中には1940年(昭和15年)11月ポリドールレコード発売の『月月火水木金金』など大ヒットしたものもある。

戦後は「日本語の美しさを歌う独唱会」などの活動を長く行い、東洋音楽専門学校(現:東京音楽大学)、自由学園日本大学講師東邦音楽大学教授上野学園大学講師なども務める[1]。のち、東邦音楽大学名誉教授[1]

1985年(昭和60年)7月27日急性骨髄性白血病肺炎を併発し死去。84歳没。墓所は多磨霊園

受賞歴

主なディスコグラフィー

以下に掲出したものの他に、国立国会図書館歴史的音源だけでも65件もの音源が記録されている[9]。その中には指揮を務めているものもある。

  • CD 20世紀の音楽遺産 - 軍歌(3)IMMORTAL WAR-TIME SONGS オムニバス 2000/6/7 キングレコード[10]
  • CD2枚組 あの頃の歌 オムニバス 2006/2/1 日本ウエストミンスター[11]
  • CD5枚組 復刻版!キング軍歌戦時歌謡全集 オムニバス 2015/4/22 キングレコード[12]

脚注・出典

  1. ^ a b c d e f 内田 栄一”. コトバンク 20世紀日本人名事典. 2020年4月13日閲覧。
  2. ^ 日本の現代舞台芸術年表”. 新国立劇場. 2020年4月13日閲覧。
  3. ^ a b c d 放送オペラ 放送一覧”. 2020年4月13日閲覧。
  4. ^ a b 第二章 アリオンの再建(1936 - 1941年頃)”. 法政大学アリオンコール. 2020年4月13日閲覧。
  5. ^ a b ヴォーカルフォア・主催 演奏会ポスター 8種 【ポスター】”. 日本の古本屋. 2020年4月13日閲覧。
  6. ^ 第一章 アリオンコール 誕生(1928 - 1935年頃)”. 法政大学アリオンコール. 2020年4月13日閲覧。
  7. ^ a b c d 内田栄一”. 昭和音楽大学オペラ情報センター. 2020年4月13日閲覧。
  8. ^ セヴラック通信 第19号 2015後期”. 日本セヴラック協会. 2020年4月13日閲覧。
  9. ^ 内田栄一”. 国立国会図書館 歴史的音源. 2020年4月13日閲覧。
  10. ^ 20世紀の音楽遺産 - 軍歌(3)IMMORTAL WAR-TIME SONGS”. Amazon. 2020年4月13日閲覧。
  11. ^ あの頃の歌”. Amazon. 2020年4月13日閲覧。
  12. ^ 復刻版!キング軍歌戦時歌謡全集”. Amazon. 2020年4月13日閲覧。

「内田栄一 (歌手)」の例文・使い方・用例・文例

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