内山の著述
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「平凡の自覚」(手記)年代不明。個々人が理性によって「自覚」に到達することによって、理想社会が実現されることを説いたもの。 『無政府共産』(秘密出版)1908年(明治41年)10月に作成された小冊子。林泉寺にある須弥壇の袋棚の中で、極秘に印刷された。表紙にあしらわれた赤旗に「無政府共産」と書かれ、また赤旗事件の被告人の入獄を意識して「入獄紀念」とも書かれている。内容は、「天子金もち大地主。人の血をすふ、ダニがおる」という文句にはじまる天皇批判や、地主制度批判、非軍備論などである。1000部ほど印刷された。 『帝国軍人座右之銘』(秘密出版)1908年11月に作成。軍人の心構えが書かれたように装ってあるが、内容は非軍備主義と集団脱営を呼びかけるものである。大杉栄が1906年(明治39年)に『光』誌上に掲載した「新兵諸君に与ふ」の引き写しだが、大杉が「仏国」とした部分が「日本国」に改められ、伏字も埋められている。300部ほど印刷された。 『道徳否認論』(秘密出版)1908年11月に作成。ドイツの無政府主義者の著述を、大石誠之助が訳したものを掲載したとされる。内容は、為政者が人民支配のために、道徳や宗教を利用していることを告発するもの。700部ほど印刷された。 このほか、出版法違反・爆発物取締罰則違反で取り調べを受けた際に、横浜監獄で記した手記が残されている。
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