公用での使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 06:56 UTC 版)
T603は政府上層部と工業界の幹部のみに割り当てられていた。生産されたT603の1/3は、当時チェコスロバキアの同盟国であった中央ヨーロッパと東ヨーロッパの国々とキューバ、中華人民共和国へ輸出された。個人への販売は通常は不可能であったが、 東ドイツでは個人所有のT603が少数あった。20年にわたる生産期間中に2万422台が生産され、その大部分が手作業で組み立てられた。鉄のカーテンの西側ではこの車のことは知られていなかったが、数台は西側諸国の首都で駐在チェコスロバキア大使により使用されていた。1974年にT603はT613に取って代わられた。 キューバの元国家評議会議長フィデル・カストロは、今もカーエアコン付きのT603を所有していると思われる[要出典]。 元々コメコンはチェコスロバキアに年産300台以下の高級車製造しか許可していなかったが、タトラ社はこれ以上の数を生産していた。このことは1957年と1958年にとりわけ東ドイツが独自の高級車ザクセンリンク・P240を造ったことで問題となった。コメコンは2国に対しどちらか一方が生産を続け、他方へ供給することを決めるように裁定した。1958年に両国の内務省は評価試験を実施したが、それには東ドイツの工業相が個人的に参加した。T603が勝利し、東ドイツの政府高官はT603に乗り、下級官吏はソ連からの輸入車に乗らねばならなくなった。
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