八坂総合病院での『研究』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 17:47 UTC 版)
古来より人類は不老不死に憧れ、様々な研究を重ねてきた。八坂総合病院の先代院長・八坂甚五郎も例外ではない。甚五郎はいかに自分自身を不老不死にするか執着し、自身の経営する病院の地下室を舞台に医学的なものから超能力の研究、はたまた呪術的なものまで、あらゆる手を尽くしてきたという。研究には影臣や悠の父親も参加していた。そんな中で甚五郎らが有力な方法として目を付けたのが、先の「魔術」に則り、自身の「魂」を老いていく身体から剥がし、より優れた人間に移し替え、魂の情報を書き換えるというものであった。その為に、魔術の素質のある者を八坂総合病院へ連れ、研究に当たらせ、実験と魂の分析を進めていった。その研究・実験にあたり、魔術によって魂を自在に操る方法が採られた。魂を引き剥がす(魂の「剥離」)能力を持つ者・引き剥がした魂を一時的に溜め込む(魂の「保管」)能力を持つ者・引き剥がし溜め込んだ魂を他の人間に移し替える(魂の「定着」)能力を持つ者がいたという。当初は順調であった研究も、移した魂と元の身体の記憶が相容れなくなり、精神破綻を起こす被験者が増えてくるようになる。だが、甚五郎らはより完璧を求め、魂の細かな分析を進め、さらに研究に傾倒していった。非人道的な研究に傾倒する甚五郎らがいた一方で、純粋に魂の研究に打ち込んでいた者もいた。籐矢の母・伏見鈴乃である。そんな中、愛息子の籐矢が交通事故にあい、重体で八坂総合病院に運ばれた。甚五郎は魂の「保管」の役目を籐矢に担わせること、新たな魂の「定着」を担う者の提供を条件に籐矢の命を救うことを鈴乃に持ちかけた。鈴乃は苦悩するも条件を飲み、籐矢と真姫奈を泣く泣く研究に差し出した。そして事故は起こる。魂の移し替えに失敗した被験者が暴走し火の手があがり、八坂総合病院は炎に包まれ、多くの犠牲者を出した。甚五郎はほとんどの研究スタッフを失って不老不死の野望が潰え、一か月後に他界した。これで狂気の研究は終焉を迎えた、と思われていた。
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