入山とアクセス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 17:19 UTC 版)
「アトス自治修道士共和国」の記事における「入山とアクセス」の解説
外国人の立ち入りについては事前の巡礼許可が必要であり、まずギリシャに入国して、ギリシャ外務省宗教課が発行する特別な査証を取得しなくてはならない。入国には数々の条件があり、申込書を提出してから査証が発給されるまで約1ヶ月を要する。入国方法も特異であり、許可された者だけを小舟に乗せ、急崖の下のヒランダル修道院やクセノフォントス修道院の前に設けられた船着場から上陸させる方法を採っている。 一般旅行者は、テッサロニキやその周辺の町で、観光クルーズに参加して、その船上からクセノフォントス修道院や聖パンテレイモン修道院(アギウ・パンテレイモノス修道院)など、まるで要塞のような外観を持つ大修道院や黒い僧服を着た修道士たちの姿を眺めることができる。 この地に女人禁制が敷かれたのは1406年のことで、それ以来今日まで600年に渡って厳格に守られ続けている。女性と単独の未成年は入国禁止となっており、それは家畜の雌の入来さえ禁止するという徹底したものである。禁欲である修道士たちにとって、女性とは神に仕えるべき道を迷わせてしまう存在であった。また、女性を乗せた船は「聖地を汚さない」ために、アトス半島の岸から500m以内に近づくことができないとされている。女性たちは、修道士の姿を、岸から離れた沖合の船上から、遠目に見ることしか許されていない。とはいえ、歴史的には、難民や漂流した女性を受け入れたことはあったというが、こうした女人禁制に対して欧州議会は2003年に男女均等指令に従って撤廃するよう要請している。国内の家畜は雄に限定され、雌が許容されるのはネズミ捕りのための猫だけである。このため国内では家畜の繁殖もない。 自治国内には携帯電話のアンテナ塔があり、一般の電話も通じており、外界との通信手段となっている。
※この「入山とアクセス」の解説は、「アトス自治修道士共和国」の解説の一部です。
「入山とアクセス」を含む「アトス自治修道士共和国」の記事については、「アトス自治修道士共和国」の概要を参照ください。
- 入山とアクセスのページへのリンク