免疫との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/20 06:17 UTC 版)
「N-ホルミルメチオニン」の記事における「免疫との関連」の解説
fMetは原核生物の産生するタンパク質には含まれるが真核生物のタンパク質には含まれない(細菌に由来するオルガネラによるものは除く)ため、免疫系による自己・非自己の認識に利用される。顆粒球はfMetで始まるタンパク質に結合することができ、これを血液循環中の白血球の誘引の開始に利用し、食作用などの殺菌活性を促進する。 fMetはミトコンドリアや葉緑体が産生するタンパク質にも存在するため、より近年の仮説では免疫系が自己・非自己の認識に用いる分子とはみなされていない。代わりに、免疫のデンジャーモデル(英語版)では、fMetを含むオリゴペプチドやタンパク質は損傷した細菌と同様に損傷した組織のミトコンドリアから放出され、アラームシグナルとなるとされる。fMetを含む典型的なオリゴペプチドであるfMLP(英語版)は、白血球などの細胞種に存在するFPR1(英語版)、FPR2(英語版)Gタンパク質共役型受容体に結合して活性化を行う。これらの受容体を介して作用することで、fMetを含むオリゴペプチドやタンパク質は自然免疫系の一部をなす。これらは急性炎症応答を開始する機能を持つが、他の条件下ではこうした応答を阻害し解消する機能を果たす。
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