免疫の恒常性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 22:30 UTC 版)
免疫機構は、外部病原体から自己を守るために免疫を亢進させる系と、過剰な免疫亢進を防ぐ免疫抑制系とがある一定のバランスをとって機能しており、これを免疫恒常性という。生体は外部からの病原体から自己を守る防御機構としての免疫機構を備えているが、その免疫系は自己と非自己とを完全に区別することはできない。免疫機能が亢進しすぎた場合、過剰な炎症反応は本来は病原体あるいは異物としてみなす必要のない物質や有用な共生微生物・真菌までをも過剰に攻撃してしまう。最悪の場合は生体自身が産生する物質や生体自身そのものを抗原とみなして攻撃してしまい、これらは結果としてアレルギー性疾患や自己免疫疾患を発症してしまう。一方で、免疫が弱すぎれば外部病原体により生体自身が侵されてしまうことになる。免疫恒常性はこの様なことがないようにある一定のレベルの免疫レベルを維持するものである。
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