免疫を持たない人々の保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 13:56 UTC 版)
「集団免疫」の記事における「免疫を持たない人々の保護」の解説
一部の人は、予防接種後に免疫を獲得できていない場合があったり、医学的理由により予防接種を受けることができなかったりする。また新生児も、安全上の理由やワクチンの効果を失わせる受動免疫の存在のために多くのワクチンを受けることができない。HIV/AIDS、リンパ腫、白血病、骨髄のがん、脾臓の機能不全、化学療法や放射線療法などによって免疫不全状態となっている人は以前持っていた免疫を失っている可能性があり、また免疫不全のためにワクチンも役に立たない可能性がある。一般的にワクチンは完璧なものではなく、一部の人の免疫系ではワクチンに対する適切な免疫応答による長期免疫の獲得が起こらない可能性がある。そのため、予防接種を受けた人でも免疫を失っている可能性がある。また、ワクチンには禁忌が存在し、そのために特定の人々が免疫を獲得できない場合もある。これらの人々は免疫を持たないだけでなく、その健康状態のために感染による合併症を発症するリスクも高いが、集団内の十分な割合の人々が免疫を持っていれば保護を行うことができる可能性がある。 ある年齢集団で高い水準の免疫が獲得されれば、他の年齢集団に対しても集団免疫を形成することができる。百日咳の予防接種を成人に対して行うことで、合併症のリスクが最も高い新生児でも発生数が低下する。新生児への伝染の大部分は身近な家族から起こるため、このことは特に重要である。
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