光反応性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/04 02:59 UTC 版)
ハロゲン化銀は写真フィルムや印画紙、X線フィルムなどで利用され、ゼラチンに懸濁した乳液をガラス面や紙などに塗布して使われる。ゼラチンは銀の保護コロイドとして作用する。 ハロゲン化銀に光が吸収されると、電子が伝導帯(価電子帯よりも高エネルギーのエネルギーバンド)へ遷移し、結晶の格子欠陥もしくは硫化銀・硫化金などのドーパントによって生じている感光核に捕らえられる。そして銀イオンを還元して金属銀の核が生成する。 求められる感度や色調によって、臭化銀と塩化銀が使い分けられ、あるいは組み合わされて使われる。ヨウ化銀は塩化銀と組み合わせて使われるが、ダゲレオタイプには単独で用いられ、水銀灯ではなく赤色光で感光する(ベケレル (Bequerelle) 法)。フッ化銀は写真には使われない。 ハロゲン化銀の結晶に光を当てると、表面にある感光核が金属状の銀の小塊(点)へと変化する。これが潜像となる。小塊におよそ4原子以上の銀が含まれていると目に見えるように、つまり現像(顕像化)によって結晶全体が金属銀に変化するようになる。多量の光を受けた部分はより強く現像され、光学密度も高くなる(像の暗い部分)。 紫外線にさらされると暗変する補正レンズにも利用される(フォトクロミズムを利用する)。
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