MLCTの励起状態における光反応性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/27 02:14 UTC 版)
「電荷移動錯体」の記事における「MLCTの励起状態における光反応性」の解説
MLCT錯体の光反応性は酸化された金属と還元された配位子の性質によって生まれる。トリス(ビピリジン)ルテニウム(II)塩化物(英語版)やRe(bipy)(CO)3Clといった一般的なMLCT錯体はあまり反応しないが、光反応性を持つMLCT錯体が数多く合成されている。 フォーグラー (Vogler) とカンケリー (Kunkely) はMLCT錯体が酸化された金属と還元された配位子からなる基底状態の異性体であると考えた。したがって、還元された配位子での求電子攻撃やラジカル反応、金属中心での酸化的付加、外圏電子移動(英語版)などの様々な反応は、MLCT電子移動によって生じる状態変化に起因すると考えたのである。MLCT状態の反応性は多くの場合金属の酸化状態に依存する。全体的な反応プロセスとしては会合的な配位子の置換反応、 エキサイプレックスの生成、そして金属結合の開裂からなる。
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