催眠の排除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 02:50 UTC 版)
一般的に、サジェストペディアは、その名称と出自により、催眠状態もしくはそれを誘発するような行為を学習に利用するかのように信じられているが、誤解である。 催眠状態は自由な精神活動と創造性を阻害するばかりでなく、精神的、肉体的に人間に危険を及ぼす可能性が確認されているとして、サジェストペディアでは注意深くこれを排除している。 ロザノフによれば、催眠状態は以下の理由により人間にとって好ましくない。 催眠状態にある人間は自分で意思決定できない。 催眠状態にある人間は批判精神を発揮できない。 催眠状態にある人間は創造性が発揮できない。 催眠状態を一度経験すると、再び催眠にかかりやすくなる(被催眠性の高揚)。 催眠医療専門家以外の人間による、いわゆる「催眠ごっこ」では、不必要で危険なサジェスチョンが不用意に与えられることがあり非常に危険。しばしば深刻な後遺症を残すことがある。 上記の理由でサジェストペディアでは催眠を誘発する可能性があるとして、たとえば以下の技法は使用しない。 リラクゼーション技法の指導 イメージトレーニングや瞑想の指導 呼吸法の指導 服従を促すような命令 脳波をある状態(たとえばα波)に一定させるようなタスク 単調な動作やタスクの繰り返し 単調な音楽の利用 非常に緩やかな音楽(たとえばバロック音楽のアダージョ楽章のみ)の利用 音楽と共に教授内容を録音したCD、テープなど、機械を用いた自習・独習 ちなみに、サジェストペディアに影響を受けたとされる「加速学習」の中にはこれらの技法を積極的に使用しているものもあるが、サジェストペディアは、むしろこれらを学習の場から排除する姿勢をとるという意味で「加速学習」とは一線を画す。 ロザノフは、伝統的な学習形態でも、教師がみずからそれと気づかずに催眠を誘発する危険性が常にある点を指摘している。サジェストペディアの教師トレーニングでは、こうした教師の不注意による催眠誘発を避けるスキルも与えられる。
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