倒立振子からパターン歩行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 05:37 UTC 版)
「二足歩行ロボット」の記事における「倒立振子からパターン歩行」の解説
二足歩行ロボットが工学の研究対象となったのは1970年頃からである。当初は倒立振子(とうりつしんし、en:Inverted pendulum)の延長上の技術として考えられており、その方面からの研究アプローチが盛んに行われた。倒立振子とはスライダ(直動機構)上に逆さに置いた振子の制御モデルのことである。振子が倒れないようにスライダを制御する。これはPID制御で比較的簡単に倒れないように制御することができた。2重倒立振子、3重倒立振子も成功例が報告された。人間の足は4重倒立振子モデルとして考えることもできるので、倒立振子モデルを研究していけば、いずれ2足歩行の制御が可能になると考えられていた。 人間の足に見立てた4重倒立振子モデルを、歩行になるような拘束条件を与え運動方程式を解くと、各関節の制御量が得られる。歩行パターンとよばれるこの動作を実際のロボットに入力して動かせば、理論的にはロボットは歩くはずである。当時の計算機の能力からリアルタイムで歩行パターンを生成することが出来なかったので、あらかじめ歩行パターンを計算しておいた。それゆえ、この歩行制御法はパターン歩行と呼ばれた。 しかし、当時のモーターや構造材が貧弱で、実際に動かすと理論と現実の相違が激しく、この方法は失敗に終わった。ロボットの状態をリアルタイムで検知し、ある拘束条件のもとにフィードバックする必要があった。
※この「倒立振子からパターン歩行」の解説は、「二足歩行ロボット」の解説の一部です。
「倒立振子からパターン歩行」を含む「二足歩行ロボット」の記事については、「二足歩行ロボット」の概要を参照ください。
- 倒立振子からパターン歩行のページへのリンク