修道者・修道女用スカプラリオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 06:11 UTC 版)
「スカプラリオ」の記事における「修道者・修道女用スカプラリオ」の解説
今日では、修道用スカプラリオは修道者も、修道女も、多くのキリスト教修道会における修道服の一部である。 スカプラリオは胸の幅の肩から肩までの外で着用する衣服である。それは足先の寸前まで、体の前と後ろまで垂れ下がる。しかし、両側は開かれたままである。(当初は専用の紐で結んで閉じていた。)東方教会の伝統的修道者たちが使用していたアナァヴォス(anavos)に似ている様にも見えるが、それは関連がない。歴史的に、修道用スカプラリオは、時代によっては、「シールド」を意味するスコートーマ(scutum)と言われた。そしてそれを、頭の上からかぶったので当初はそれをカバーし、保護するために別の布地が出来上がった。(その後それがフードになっていった。)そのもっとも初期の時点から、修道用スカプラリオを着用する場面では、着用者は服従と「キリストとの絆」について口にしたものであった。「キリストとの絆」と言う言葉は、服従を意味し、そしてスカプラリオをはずす時は、権威に反抗し、「キリストとの絆」と離れるようなものであった。例えば、カルメル会修道会の会則では、深刻な過ちをした場合、スカプラリオを身につけてベッドに入るべきだと、1281年に定めた。そして、1369年の会則では、スカプラリオを付けずにミサを捧げるカルメル会修道士は自動的に破門されることも含まれている。 数世紀が過ぎた後、修道会は基本的なスカプラリオを自分たちが適切であると考えた形に変形していった。その結果、今や、いくつかの別個のデザイン、色、形、大きさのものが使われている。ドミニコ修道会や、カルトジオ会は、以前からの形であるスカプラリオを修道服の別の部位と切り離されたアイテムとするよりも、むしろ、スカプラリオにフードをつけた。そして、時がたつにつれて、スカプラリオの色は選別ができるようになった。例えば、1255年以前アウグスチノ会の修練者のスカプラリオの色は黒だった。床に伏せた修道者のものは白だった。 しかし、その後、全てのスカプラリオは、床に伏せた修道者の物と同じく全て白でなければならなかった。いくつかのケースでは、修道用スカプラリオは、修道会内のランクやレベルを区別するために使用された。
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