侵入の過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 14:17 UTC 版)
このクモは、クモ類にはめずらしい移入種である。1970年代に大阪で発見され、後に奈良でも採集された。人家に生息する、比較的大型の目立つクモでありながら、発見当初は正体不明であった。専門家は日本からアジア近辺の記録を当たったが、該当するものがなく、大変不思議がられた。それが、実はオーストラリア産の種であることが判明、帰化種であること考えられるようになった。その後、和歌山県南部にも飛び離れて分布していることが判明し、それからは、大阪、奈良からは近畿地方、中部地方南部へと分布が拡大、和歌山県南部からも北上して、本州南西部に分布を広めている。バルーニングを行わず、分布拡大はクモそのものの移動と、人為的な物品移動に伴うものと考えられる。 侵入の経路については判明していない。原産地のオーストラリアにおいても人家に生息する種であり、家具や機械にまぎれて侵入したと見るのはたやすい。しかし、人家に生息するアシダカグモなど、広範囲に分布するものが有史以前の帰化種である可能性があるにせよ、同様な生活をする種であっても、近代になって侵入したことが確かなものはこのクモ以前には他になかった。後に、大阪でセアカゴケグモ騒ぎが起きるまでは、クモ類では唯一の帰化種として扱われていた。 なお、オーストラリアでは広く分布しており、やはり人家によく出現することから、Black house spider(黒家グモ)の名で呼ばれる。
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