使用および制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/15 07:44 UTC 版)
「キリアニ-フィッシャー合成」の記事における「使用および制限」の解説
グリセルアルデヒドの両エナンチオマーは市販されているため、キリアニ–フィッシャー合成を適切な回数繰り返し適用することによっていかなる鎖長のアルドースのいかなる立体異性体をも得ることが可能である。トリオースであるD-グリセルアルデヒド (1) からはテトロースのD-エリトロース (2a) およびD-トレオース (2b) が得られる。これらからはペントースのD-リボース (3a) およびD-アラビノース (3b)、ならびにD-キシロース (3c) およびD-リキソース (3d) がそれぞれ得られる。次の繰り返しでヘキソースのD-アロース (4a) および D-アルトロース (4b)、 D-グルコース (4c) および D-マンノース (4d)、D-グロース (4e) および D-イドース (4f)、ならびにD-ガラクトース (4g) および D-タロース (4h) が得られる。D-ヘプトースとそれ以上はこれをさらに繰り返すことで得ることができ、エナンチオメリックなL系列はL-グリセルアルデヒドを出発原料とすることで得ることができる。 実際面では、キリアニ–フィッシャー合成は天然源から得ることが困難または不可能な糖を生産するために大抵用いられる。この合成法によって全ての望むアルドースの全ての可能な立体異性体を得ることがは可能であるものの、この工程は低収率と毒性試薬の使用によって制限される。加えて、長鎖のアルドースを得るためにキリアニ–フィッシャー合成を繰り返し行うとすると総収率は指数関数的に減少する。 この工程ではアルドースのみが得られるものの、興味を持っている糖がケトースの場合もあるだろう。一部のケトースはエンジオール中間体を経た異性化によって類似ルドースから得ることができる。例えば、アルカリ水溶液中で、グルコース、フルクトース、およびマンノースはゆっくりと相互変換する(ロブリー・ド・ブリュイン=ファン・エッケンシュタイン転位)。一部のまれな糖はアルドール反応によって得ることもできる。
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