作用部位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 13:52 UTC 版)
「Bcl-2ファミリー」の記事における「作用部位」の解説
これらのタンパク質は動物細胞ではミトコンドリア外膜に局在しており、そこで電位依存性アニオンチャネル(VDAC)と複合体を形成していると考えられている。Bcl-2とVDAC1(英語版)やVDAC3(英語版)由来ペプチドとの相互作用は、シトクロムcの放出を阻害することで細胞死から保護する。脂質二重層で再構成された精製VDACとBcl-2との直接的な相互作用は実証されており、Bcl-2がチャネルの伝導性を低下させることが示されている。 ミトコンドリア内にはアポトーシス誘導因子(シトクロムc、Smac/Diablo(英語版)、Omi(英語版))が存在しており、これらが放出された場合にはアポトーシスの実行因子であるカスパーゼが活性化される。Bcl-2ファミリーのタンパク質は活性化されると、各々の機能に応じて、これらの因子の放出を促進したり、ミトコンドリア内に隔離したりする。アポトーシス促進性のBakやBaxは活性化されるとMACを形成してシトクロムcの放出を媒介し、抗アポトーシス性のBcl-2はおそらくBaxやBakの阻害によってこの過程を遮断すると考えられている。 Bcl-2ファミリーのタンパク質は核膜にも存在し、また体内の多くの組織に広く分布している。これらは人工脂質二重層中でオリゴマーのポアを形成することが記載されているが、このポア形成の生理的重要性は明らかではない。これらのタンパク質には、ある程度のイオン選択性など、それぞれ異なる性質が存在する。
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